不登校の原因

 これまで不登校の子どもをたくさん見てきましたが,やはり感じるのは一人一人課題が違うということです。よく「どんな子が不登校になるのですか?」とか「何が原因で不登校になるのですか?」と聞かれますが。いつも答えは一緒です。「一人一人違います。」。

保護者はみんな,「まさか自分の子が不登校になるなんて。」と驚きと焦りを感じてしまうのが現実です。これだけ身近にあるのになぜか自分事とは思えない不思議な現象です。

現在17名の利用者ですが,これと言って原因がわからないことが多いです。だから,原因を突き止めて不登校を解決しようとする方法では解決しません。一日一日子どもと保護者に寄り添い,その思いを受け止めながら少しずつ進んでいくしかないと考えています。その中で,その子がもっているよさ「強み」を引き出し,保護者と確認していく作業はとても重要です。なぜなら,不登校になった時点で保護者は子育てに対する自信を失い,子どもは自分自身に対する自信を失っているからです。不登校の解決は,心の回復プログラムなのです。

近頃は,小学生の不登校の保護者でも「高校はフリースクールがあるからいい。」と言われる方が増えてきました。焦らず,じっくり向き合うためには,将来の不安を消すことが重要なので,その考え方は間違っていません。学校へ行かなくても何とかなるのです。

でも,その言葉の裏には,本当にそう思っているのではなくて,あきらめているといった感情が見え隠れします。本当にこの子のタイプから考えるとフリースクールがあっているんだといった積極的な選択ではなく,学校が向かないのならフリースクールへといった消極的な選択です。同じ選択をするなら,「こうしたい」という積極的な選択が今後の人生を決めていくと考えています。

子どもたち一人一人にとって,ぜひ,この積極的な選択ができるようにしたいと願っています。子ども一人一人の「強み」を理解し,その子にあった生き方ができるように支えていくというのがパルクの理念です。