不登校と発達障害

よく「不登校になる子どもって発達障害もあるんですか?」と聞かれます。私は「厳密にいえばあるかもしれないけれど,それを障害と認定する必要はない」と答えています。不登校はあくまで現象で,たとえ発達障害があったとして,それがわかったとしても,不登校を改善する方法にはならないからです。実際に不登校は,さまざまな理由から子どものエネルギーが低下したことが要因と考えています。発達障害とわかったからといってエネルギーが回復するものでもありません。

今回私がパルクを立ち上げた大きな理由の一つに,不登校になって居場所の確保のため,放課後等デイサービスを利用したいから医療機関を受診するという,本当に子どものためになるのかと思われることが起きていたからです。特に小学校1年生~4年生に多い傾向にあります。福祉サービスを利用するには,当然その手続きは必要ですが,本当に障害としてのケアが必要かどうかはじっくり考えてからがいいと思います。

不登校支援はよく福祉サービスと思われがちですが,そうなると,不登校=障害という構図が発生してしまいます。もちろん,福祉サービスを利用したほうが,子どもにとっていい環境であるという子もいますが,その判断は慎重にするべきだと思います。

保護者としても,不登校だからすぐに医療機関へと考えることに抵抗があるにも関わらず,居場所がないため,仕方なく放課後等デイサービスを利用するためにのみ医療機関を受診することがあります。そのまま、継続して通院していればいいのですが、意見書を書いてもらったらその後は診察に行かないこともあります。これでは、何のための受診なのかわからず、効果的な支援につながりにくいです。

もとはといえば、不登校の小学生にあう居場所が不足していることが大きな要因です。子どもの未来を考えたとき,不登校を貴重な経験として成長していくためには,この不登校の小学生に特化した居場所は絶対必要です。学校では、校内の別室で教室に入れない子のケアをしていますが,その学校にも行けない子への支援も必要になってきているのです。